自律神経について
自律神経失調と症状
自律神経はその働きが乱れると様々な症状がでてきます。その症状は多彩で、一つだけの時もありますし同時にいくつもの症状
がでてくるということもあります。そして出たり・なくなったりすることもありいったいどこが悪いのかわかりにくいこともあり人により個人差・違いが大きくでます。
自律神経の機能が乱れる(自律神経失調)と色々な症状がでますが、多くの場合1~2日ですぐ治る事はあまりありません。
強くなったり・弱まったり・症状の場所が変わったりを繰り返します。例えば、体がだるく肩がこっている日が続いてたかと思うと今度は「胃の調子がなんだかおかしい」「下痢や便秘」という症状がでたり「なんだかよく眠れなくなった」「運動をしたわけでもないのに胸がドキドキすることが・・・」など症状が変化することも多いです。
このような症状の一つ二つは誰もが経験したことのある症状が多いと思います。日常生活にあまり支障なくそのうち症状がなくなるくなら、あまり心配する必要はありませんが、こういった症状が様子をみてもなかなかよくならなかったり、繰り返し出たりして気になる、症状が頻繁におこって日常生活に支障があるならまず医療機関を受診しましょう。稀ではありますが、背後に大きな病気がかくれていることもあります。また、きちんと医学的検査をうけて問題なければ安心もします。
医療機関で検査しても異常がない場合には「自律神経の乱れ」からくるものが多いと思われます。医学的検査によってあなたの胃腸や脳など各臓器や血液などには異常なしといわれてもそのような症状が確かにでているということは正常ではないと言えます。
あなたの体やこころが異常を訴えてきている証なんですね。その訴えに対してなんらかの対策を講じてあげる必要があります。
自律神経のバランスが乱れることによっておこる症状
肩・首のこり・腰痛・頭痛・便秘・下痢・めまい・耳鳴り・耳の違和感不眠・口の渇き・のどの詰まり感・手足の冷え・顔のほてり・動悸・しびれ・息切れ吐き気・胃の不快感・関節痛・胸焼け・食欲不振・多汗・皮膚のかゆみ・神経過敏・筋肉痛・体のだるさ・感情が不安定・顎の痛み・手足がだるい(力が入れにくい)・光がまぶしい・吹き出物・ゲップが多い・腹部膨満感(お腹の張り)・乗り物酔い・胸のザワザワ感・心臓がドキドキ感・皮膚がチクチクする・胸が詰まった感じがする・瞼が痙攣したり、顔がピクピクしたりする・頻尿・残尿感・目の疲れ・月経不順・PMS・など |
自律神経がバランスを崩す原因とは
自律神経が乱れるにはその元になる原因がありますが、大きく分けると2つ「内的要因」と「外的要因」があります。
◆ 内的要因とは
内的要因とは本来もって生まれた体質や気質(神経質・まじめ・律儀)・考え方などで身についた習慣なども含まれます。これらを持った方が自律神経失調になるというわけではなく、考え方や性格などの気質は大きく関係している為、リスクを回避するためそこにも注意して目を向けることが大事になります。
特に日本では物静かでまじめ、律儀、自分の気持を抑えて周囲に合わせるということ、忍耐強くといったことは美徳としてあげられてきました。これらは、決して悪いことではなく美徳として挙げられる価値があるものだと思います。しかし、それらが原因の一つとして様々な辛い症状や体や心の不具合まで起こしているのだとしたら、もう一度自分自身のあり方を見つめ直さなければいけないかもしれません。
例えば「いつも完璧にしないと気がすまないが・・・できないことも良しと考えよう」「問題が起こった時、他に迷惑がかかるといけないのでいつも一人で何とか頑張ってしまう・・・。今回は誰か信頼できる人に相談してみよう(以外と相談にのることが好きな人もいてそれを待っている人もいます)」以外と性格が全然違うのに仲がよかったり、自分のお手本(学び)となる人は近くにいることが多いものです。
「自分だったらすぐこう考えてしまいがちだけど・・この人はこんな考え方をするんだなぁ・・」と周りを見渡すと参考にできる人がたくさんいることに気づくことがあります。
この「気づき」がすごく大切なことです。気質や体質をすぐに変えるのは難しいですが、考え方や習慣は少しづつ良い方向に変えて行くことができるかもしれません。考え方や習慣がより良く変われば気質や体質にもいい変化がでてくると思われます。
◆ 外的要因とは
外的要因とは、私達の体や心に影響を及ぼす様々な外部からの要因です。この外的要因とは私達にかかる様々なストレスということができます。私達は日常を暮らしている中で様々なストレスと向き合いそれを乗り越えながら暮らしています。
ストレスと言えば、人間関係などの精神的なストレスが思い浮かびますがここでいうストレスはもっと大きな意味でのストレスです。外的要因になるストレスは大きく分けて3つに分類できます。
ストレスにはいろいろなものがある
① 物理的・環境的ストレス
● 暑さ・寒さなど温度や湿度・気圧の変化からくる体内へのダメージ
これは日常暮らしていて当たり前に経験することなので、あまりストレスとは認識されていない人が多いと思いますが、こうした温度・湿度・気圧の変化は心身共に大きな影響をもたらしています。
気象の変化によって発病したり、病状が悪化したりする病気、病状の変化が天候と密接に結びついているような病気を気象病と呼んでいます。 例えば、リウマチや関節痛は気温や気圧差が大きい事で痛みが増すことはよく知られていますし、うつ病などの精神疾患も、季節の変わり目や急激な気象条件の変化、低気圧による日照不足などで発症したり病状が悪くなったりします。
狭心症・心筋梗塞・高血圧・不整脈・気管支喘息・急性虫垂炎、胆石、感冒、脳出血など他にも気象の影響をうける疾患は色々とあります。これらのことから解るように、温度・湿度・気圧など気象の変化が心身に大きく影響しストレスになっていることがわかります。あと、騒音など音によって受けるストレスも物理・環境的ストレスの一つです
② 生理的ストレス
一般的にストレスというとこの生理的ストレスを思い浮かべることが多い思います。つまり、精神的・肉体的過労によってもたらされるストレスです。
● 肉体的ストレス
過度の運動・働きすぎ・出産・子育てによる肉体疲労・怪我による体へのダメージです。
化学的ストレス・・・薬やたばこ・飲酒が体へのダメージになることもあります。
構造的ストレス・・・体のコリや歪があることによって生まれる肉体への負担です。
● 精神的ストレス
不安や葛藤・悩み・不満・失恋・人間関係などによる心へのダメージです。
③ 心理・社会的ストレス
生理的ストレスと重なってくるものもありますが、ストレスにはその背景に社会的なもの・心理的なものが関与しているストレスがあります。家庭内・ご近所で問題・トラブル、学校・職場での様々な葛藤・トラブルなどこれも一般にストレスとして感じておられる方は多いと思います。
私達は日頃、このようなストレスを受けて生活をしています。自覚されやすいものもあれば、気づきにくいものもあります。自律神経は自分の意志では調節できない神経です。 呼吸・排泄・心拍・ホルモン分泌など体の重要な役割を果たしています。私達にはホメオスタシス(恒常性)という生体の内部や外部の環境因子の変化にかかわらず生体の状態が一定に保たれるという性質が備わっています。
代表的なものは体温で人間は36度ぐらいで一定に保たれ健康が維持されています。自律神経はこのホメオスタシスとも大きく関連しています。
交感感神経と副交感神経が互いに引き合いをしながら、外部の環境の変化にかかわらず身体を一定の状態に保とうと日夜頑張っているのです。
しかし、そのような頑張りも限界というものがあります。体は正直なのである程度は気力で補えても様々なストレスに耐え切れなくなった時そのスイッチをOFFにして身体を休めさせようと調整します 。この時に色々でてくる症状が自律神経の乱れからくる症状でその機能がバランスを失った結果(自律神経失調)もたらされるものです。しかし、これも見方を変えればちゃんとホメオスタシスが働いている結果とも言えます。
体には様々は不調がでて厄介で不安ですが、あなたの体はそのバランスの調整を再び戻そうと必死にスイッチをOFFにしてまであなたを守ろうとしているからです。逆に見れば体は正常に働いていると見ることができます。
🔷 自律神経について
🔷 交感神経と副交感神経
🔷 自律神経失調と症状
🔷 バランスを崩す原因
🔷 自律神経の乱れを整える
🔷 自律神経 予防と対策
🔷 産後と自律神経
🔷 自律神経と整体